夢のひかり
あなたに肩を掴まれて
目を見つめられながら
ひどいことを言われた
用が済めばすぐ
背を向けて行ってしまう
動けない私は
誰にも気づかれず停止していた
目が覚めて
夢であったことを知る
ひろくあいた衿ぐりに
風がねじ込む
強引な生温かさに
身をよじるのも忘れ
次に会うまでの確認を待たずして
胸を撫で下ろす私
不意打ちのシャワーに打たれ
向こうで笑っているあなたを
濡れた前髪越しに見つめる
きっと、このまま
ちらつくだけの
景色を何重にも重ねて
その分厚さに見とれながら
さよならも言えずに
老いていくんだね
2010年9月22日