線を引く

眠りの中で
たった一枚のイメージを探している
わたしのものではない呼吸が
さえざえと
瞳の芯を揺り起こす夜明け

白く泡立つ波は
反復する動きを止めない
ぴんと伸ばした脚の先から
潮が満ち
なだめるように
這い上がる手のひらがある

ひとりとひとりがいることと
ふたりがひとつになることと
境界線の手前で
よせてはかえして
語り合っているつもりで
ほんとうはわたし
何も考えてなんかいない

静かに立ち去る気配がある
目を開けると
朝はもう
ひとつの顔で佇んでいた




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